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コロナウイルス研究受託サービス:ハムスターCOVID-19 モデルを用いた試験のご紹介(提供:Physiogenex社)

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コロナウイルス研究受託サービス:ハムスターCOVID-19 モデルを用いた試験のご紹介(提供:Physiogenex社)

日本クレアがフランスCRO、Physiogenex社のコロナウイルス研究受託サービスへの取り次ぎを承ります。

Physiogenex社は、この度NASH*ハムスターモデルを更に発展させ、コロナウイルス試験用にCOVID-19発症ハムスターモデルを開発。フランスにて受託試験サービスを開始しました。
このNASHハムスターモデルはCOVID-19発症率が高く、ヒトに類似した軽度のCOVID-19発症を示します。よりヒト類似のCOVID-19前臨床試験の使用に有効と考えられます。

*NASH:非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis)
*本ハムスターモデルは受託試験のみの取り扱いで、動物の販売はしておりません。

 

◆COVID-19発症NASHハムスター

PhysiogenexのNASHモデルハムスターはSARS-CoV-2に感染し、肺損傷を示します。

肺 HE染色


肺 シリウスレッド染色

 

関連論文:
・メタボリックシンドロームの中でも特にNASH患者は高いCOVID-19発症率を示す
 Ghoneim et al. Metabolism 2020

・ハムスターはヒトに類似した軽度のCOVID-19症状を示す
 Sia et al. Nature 2020

・ハムスターのACE2受容体はSARS-CoV-2のSタンパク質と結合できる
 Luan et al. BBRC 2020

 

 

◆例:試験デザイン(フリーチョイス・ダイエット方式*)

フリーチョイス・ダイエット方式にてハムスターを肥満およびNASHに誘導後、SARS-CoV-2を感染させます。

 

フリーチョイス・ダイエット方式
フリーチョイス・ダイエット方式は、対象動物が同じ飼育ケージ内にて普通飼料、水道水、高脂肪および高コレステロール飼料、10%フルクトース水から自由摂取出来る給餌方法です。ハムスターの過食症(高脂肪試料だけでは誘発できないため)を助長し、肥満、NASH、駆出率を維持した心不全を誘発します。

 

 

 

◆SARS-Cov-2感染と肺損傷の仕組み

 

 

通常:ACE2はAngⅡ結合にて血管構造バランスを維持

・血中AngⅠがACEによりAngⅡに転換

・AngⅡが血管収縮を促進(AT1Rを媒介)
 →血管収縮、炎症、線維化、そして最終的には肺の損傷を促進します。

・AngⅡはACE2によりAng1-7に変換されます
 →Ang1-7はMas経路を活性化します
 →肺の損傷に対する保護

 

感染:SARS-Cov-2はACE2に結合

・Ang IIレベルが上昇し、炎症誘発性/線維化促進性AT1R経路に有利に働きます。

・SARS-Cov-2はAngIIからAng1-7への変換を損ないます。
 →肺の損傷を防ぐことはできません。


◆NASHハムスターモデルの特徴

肝臓にNASH炎症

 

肺のInf-α減少、炎症系サイトカイン増加



血中ACE2活性の低下
血漿ACE2活性


関連論文:
・血清ACE2活性低下は、収縮機能障害の重症化と相関する
 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5843890/

 

・駆出率が保存された心不全(HFpEF)

駆出率が保存された心不全(HFpEF)

 

NASHハムスターモデルについての論文:

ヒト類似の肥満、インスリン抵抗性、脂質異常、NASH(線維化)、HFpEFが観察される
Briand et al. Metabolism 2021

 

PhysiogenexCROサービス:

▼NASHハムスターモデルの詳細
NASHハムスターモデルの詳細

 

 

◆Physiogenexとは:

Physiogenexロゴ

Physiogenexは、前臨床のin vivoおよびex vivo CROサービスと、肥満、糖尿病、NASH、線維症、糖尿病性腎症、心血管合併症、脂質異常症、アテローム性動脈硬化症などの代謝障害に関する研究サービス(コンサルティング)を提供しています。

CROサービスプロバイダーだけではなく、Physiogenexでは動物モデルを開発し必要に応じて技術を評価するためのパートナーになることができます。他にPhysiogenexではR&D、前臨床試験、販売後の追加試験、およびファーマコメトリクスの再評価などの様々な専門家による試験のサポートに専念できます。加えて、in vivoの前臨床イメージングサービスも行っています。

Physiogenex ホームページ 2017年から)
Physiogenex Service: Details of CLEA Japan support and Service Condition


 

◆よくあるご質問 (FAQ):

試験費用はどれくらいですか?

試験はフランスのパスツール研究所、BSL3対応の実験室で実施します。
1試験の最大匹数36匹と規定されており、試験内容によりますが概ね2600万~3300万円程になります。(2022年4月以降は最大匹数72匹になる見込み)


秘密保持を含む各種契約は日本クレアを入れた3者ですか?

基本はPhysiogenex社と御社/組織の2者になります。
顔合わせ以降に日本クレアのビジネス・サポート(Web会議での通訳等)が必要な場合は、3者での秘密保持契約を締結することもあります。
※契約書や試験デザインの翻訳は承っておりません。


ハムスターの食事誘導にはどれくらい期間がかかりますか?

現在、Physiogenex社では常時食事誘導NASHハムスターを生産しており、動物はすぐに準備出来ます。その為、食事誘導にかかる期間は考慮する必要がありません。


NASHでないハムスターでも試験は出来ますか?

実施可能で実績もあります。NASHハムスターを用いた試験より概ね260万円程費用が安くなります。
ただし非NASHハムスターでは感染症状が出にくい為、試験デザインによってはNASHハムスターを使用する事を推奨します。


動物を剖検しない、スワブによるqPCR検査は可能でしょうか?

現在、パスツール研究所ではスワブ検査の対応をしておりません。経時的変化を見たい場合にも動物の剖検を必須としています。


Physiogenex社の試験報告書は各国のIND(Investigational New Drug) 提出等に使用可能でしょうか?

Physiogenex社は欧米メガファーマを含む多くの受託試験を受けてきましたが、現在まで提出した試験報告書に関して不足を指摘された事は無いとのことです。
特殊な書式での提出が必須とされた場合を除き、問題ないと考えています。


試験デザインはこちらから提出しますか?

Physiogenex社は当試験系について多くの実績があります。検体の性質および解析したい標的によって、最適な試験デザインを提案出来ます。Physiogenex社に何を評価したいのかを具体的に説明し、そのアドバイスを元に試験デザインを設定する事を推奨します。


ウイルスの株は何を使用しますか?

パスツール研究所にある全てのウイルス株を使用することができます。従来株からデルタ株も用意出来るとのことです。


試験開始はいつ頃になりそうでしょうか?

現在(2021年11月)、パスツール研究所は非常に混雑をしており、およそ3~4ヶ月先まで予約で埋まっている模様です。
ただし2022年4月以降、Physiogenex社は他のBSL3試験施設も使用可能となる見込みですので、実現すれば状況は改善しはじめるとのことです。



 

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