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ヒト類似の筋ジストロフィー発症機序:B10-mdxマウスのご紹介

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ヒト類似の筋ジストロフィー発症機序:B10-mdxマウスのご紹介

このB10-mdxマウスは特にエクソン・スキッピング創薬研究において有効です。


本モデルはB10系近交系マウスの突然変異として1978年に発見されました。ぜひ、エクソン・スキッピング創薬研究において有効的なB10-mdxマウスをご検討ください。


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特徴: 

  • 発症機序がヒトに類似(遺伝子のナンセンス変異によりジストロフィン合成が不完全)
  • マーカーとなる血中クレアチンキナーゼ(CK)が有意に高値
  • 関連データが多数発表されている


よって特にエクソン・スキッピング創薬研究において広く活用され、その有効性が確認されています。以下にその詳細情報をご紹介します。

 

機序

C57BL/10-mdx(B10-mdx)マウスの発症機序は筋細胞膜のジストロフィンをコードする X染色体連鎖遺伝子(Dmd)の変異に起因します。DMD原因遺伝子エクソン23にナンセンス変異を持ち、ジストロフィンの合成が不完全となります。

 

遺伝子図解:

ヒト遺伝子図解

マウス遺伝子図解

B10-mdxマウスの筋変性は生後3~5週令時に最大に達し、その後は再生と変性が繰り返されます。ヒトの病態と比較するとその機序は類似しますが筋力低下の度合いは軽度です。

またDMDにおいて特徴的な筋線維化を反映する血中CK(クレアチンキナーゼ)の値はC57BL/10ScN(B10)マウスと比較し有意に高値を示します。その他特徴として臨床的に致死的なヒトのDMD患者と異なり、B10-mdxマウスは長期生存が可能となります。ヒト類似となる機序は以下をご覧ください。

 

特徴

血液生化学値:

血液生化学値
数値は平均値±標準偏差を示す。  
※同週齢の背景系統マウスとの間に統計学的有意差あり(P <0.01)    

採血部位:腹大動脈
計測機器:Automated clinical analyzers BioLiS 24i Premium(東京貿易メディシス(株))
日本クレア株式会社 技術部にて測定を実施


B10-mdxマウスはDMDにおいて特徴的な筋線維化を反映する血中CK(クレアチンキナーゼ)が高値を示す他、筋障害の指標となるLDH(乳酸脱水素酵素)、ASTおよびALT(肝酵素)も正常値の数倍ないし数十倍に上昇しています。

 

後肢筋線維化率:

後肢筋線維化率
*棒グラフは各筋組織における線維化率の平均値を表す。
B10-mdxマウスは主要な後肢筋(大腿直筋、前脛骨筋、腓腹筋)においてB10マウスより優位に線維化します。

 

病理組織学的考察:

HE染色 

HE染色全体
下記におきまして修飾と筋線維の再生・筋線維の変性・壊死の詳細を御覧ください。

 

修飾と筋線維の再生(拡大写真):
修飾と筋線維の再生(拡大写真) 

  • 壊死線維が筋衛星細胞やマクロファージ等の単核細胞で満たされている。
  • 分化した筋芽細胞の増殖が見られる。
  • 増殖した筋芽細胞が、筋線維中央で密に並んで融合している。

 

筋線維の変性・壊死(拡大写真): 
筋線維の変性・壊死(拡大写真): 

  • 筋形質の崩壊を伴った分節状の変性、壊死。
  • 壊死筋線維は数本の群をなして認められる。


Anti-dystrophin 免疫染色*
  

  • B10-mdxマウスの筋形質膜において、ジストロフィン蛋白の発現を認めず。

*上HE染色写真と組織部位ならびに倍率が異なる。

関連論文は以下をご覧ください。

 

論文

B10-mdxマウスについて:

 

関連論文:

 

由来

C57BL/10-mdx(B10-mdx)マウスはヒトのDuchenne型筋ジストロフィー(DMD)のモデルマウスです。本モデルはC57BL/10系近交系マウスの突然変異種として1978年に英国Agricultural Research Council's (ARC)Poultry Research CentreのDr. Bulfieldらによって発見されました。

その後Bulfieldから1983年に(公財)実験動物中央研究所の江崎孝三郎博士により導入され維持されました。2021年に同所から(F?+62)世代で日本クレアへ移管され、当社での生産を開始しました。2021年10月より、日本クレアから販売いたします。

 

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よくあるご質問 (FAQ):

発注から納品までの手順を教えて下さい

当ホームページのお問い合わせフォームから在庫状況などお問合せ下さい。担当者より回答致します。現在は隔週交配で生産を致しております。在庫状況次第でお客様のご納品曜日に合わせてご納品致します。


発症時期について教えて下さい

筋変性は生後3~5週齢時に最大に達し、その後は再生と変性を繰り返します。10週齢時には血液生化学値や筋繊維の変化が確認できます。(参考PDF


10週齢以上での納品も可能ですか?

可能ですが、できる限り早めのご注文をお願い致します。ご発注後すぐの納品対応にはお応えできない可能性が高いです。


老齢マウスの購入も可能ですか?

可能ですが、本系統は週齢が上がると骨格筋における症状回復が見られます。試験内容によっては必ずしも高週齢個体が適していない場合もございます。


コンベンショナル環境での飼育も可能ですか?

免疫機能は正常ですので、コンベンショナルな環境下での飼育も可能です。但し、長期試験においてはSPF環境下での飼育を推奨致します。


自施設での繁殖は可能ですか?

お客様施設での系統維持、他系統との交配はお断りしております。


商業利用は可能ですか?

商業利用は原則お断りしております。弊社実験動物は研究利用にのみ販売を致しております。


本系統は遺伝子組換えマウスとしての申請など必要ですか?

必要ありません。こちらは自然突然変異による疾患モデルマウスで、遺伝子組換えマウスではありません。


微生物レベルについて教えて下さい

他の一般販売系統と同様に弊社SPF基準でのご提供となります。

 

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