日本クレアでは、網膜色素上非皮細胞による視細胞の貪食異常、劣性遺伝形式の網膜変性、Mertk遺伝子の欠損変性の特徴を持つ、RCSラットの提供をしております。
系統名 | : RCS/Jcl-rdy/rdy | (ホモ型) |
系統名 | : RCS/Jcl-+/+ | (野生型) |
学術系統名:
rdyホモ型(p変異有り)=RCS-MertkrdyOca2p/Jcl
rdy野生型(p変異有り)=RCS-+Oca2p/Jcl
特徴
網膜色素変性モデルとして広く利用されている
- 生後正常に網膜が形成されるものの、生後3週間頃から視細胞の変性が開始。生後3カ月頃にはほとんどの視細胞が消失する¹。
- 網膜色素上皮細胞による視細胞外節の貪食能の異常を示す²。
- 劣性遺伝形式の網膜変性を来す³。
- Mertk遺伝子の欠損異変を持つ⁴。
RCSラット網膜組織像
正常(左)に対して、生後53日齢のRCSラット網膜(右)では、視細胞の菲薄化が認められる(bar=20㎛)
関連文献
由来
1938年 | Bourneらにより網膜変性を伴うラットとして発⾒される | |
1981年 | LaVail教授(UCSF)らによって系統化される。 | |
1990年 | LaVail教授から東北⼤学眼科に供与され、⽟井信教授により、 SPF化(Specific pathogen free)される。 |
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1994年 ~2016年 |
RCSラット研究会発足 ⽇本クレア㈱で系統維持〜有償分与にて供給 |
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2016年 | 日本クレア㈱より一般販売を開始する。 |
使用研究分野
研究例1:視細胞保護研究
成長因子投与による網膜変性保護
生後23日齢のRCSラットの硝子体内に塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF, 1µg/μl)を投与した。PBS注入群では、視細胞層がほとんど消失しているのに対し(左図)、bFGF注入群では視細胞層が観察され(右図)、変性が遅延していることが分かる。
関連文献
Tamai M, Yamada K, Takeda N, et al. (1997) Degenerative Retinal, 323-328.
研究例2:網膜(視覚)再生研究
オプトジェネティクスを利用した視覚再生
視細胞が消失し失明したRCSラットの神経節細胞にChR2遺伝子を導入し視機能を再生する。ChR2を発現する網膜神経節細胞(緑色)
関連文献
Tomita H, Sugano E, Yawo H, et al. (2007) Invest Ophthalmol Vis Sci, 48:3821-3826.
参考文献
RCSラットを用いたクラミドモナスチャネルロドプシン-2(ChR2)の遺伝子導入治療の評価
Sugano E, Isago H, Wang Z, et al. (2011) Gene Therapy, 18(3); 266-74.
Sugano E, Isago H, Wang Z, et al. (2011) Gene Therapy, 18(3); 266-74.
RCSラットを用いた改変ボルボックスチャネルロドプシン-1(mVChR1)の遺伝子導入治療の評価
Tomita H, Sugano E, Murayama N, et al. (2014) Mol Ther. 22(8), 1434-1440.
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