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Diet Research Data (試験データ集):Quick Fat 保存試験

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Diet Research Data (試験データ集):Quick Fat 保存試験

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Related CLEA Japan product: Quick Fat

 

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1.Quick Fat 密封包装品の保存試験成績(6ヶ月)


通常の飼料よりも脂肪の含有量の高い Quick Fat について、室温条件下での保存試験を実施しました。


飼     料: 平成 15年(2003年)6月 13日製造の Quick Fat

梱     包: 10kg 袋から小分けし、脱酸素剤を入れて密封包装(ラミネート 1重)

保 存 温 度: 室温(20~ 25℃)

分 析 項 目: 酸価(AV)、過酸化物価(POV)、レチノール(VA 効力を算出)、ビタミン E、B 1 、B 12

分析実施日: 平成 15年(2003年)6月中旬~ 12月中旬まで 保存開始時(6月中旬)、3 ヶ月後(9月中旬)、6 ヶ月後(12月中旬)


表 1 Quick Fat 密封包装品の保存試験結果

表 1 Quick Fat 密封包装品の保存試験結果

カッコ内の値は 0 ヶ月(開始時)を 100%とした場合の相対値を示しています。
*レチノール量から換算した値


    • 本試験の条件で 6 ヶ月間保存しても、ビタミン類の大きな変化はありませんでした。

    • しかし、酸価(AV)は保存期間が長くなるに従って高い値を示しました。また、過酸化物価(POV)は 3 ヶ月後に高い値を示した後、6 ヶ月後には低い値を示しました。

    • 密閉包装の Quick Fatを 20~ 25℃の範囲の室温で保存した場合、ビタミン類の変化は非常に小さいのですが、油脂の変化が少し進行することが考えられました。

    • この油脂の変化は、給与動物に影響を及ぼすレベルよりも低く、実験には影響しないと考えます。

    • また、表 2に示した通り、製造直後の AV、POVの値がロット間で大きく異なることが観察されています。今後は更に多くの分析データを収集し、ロット間のバラツキの程度を把握したいと考えています。


表 2 参考データ:異なるロットの Quick Fat における AV、POV 測定結果

表 2 参考データ:異なるロットの Quick Fat における AV、POV 測定結果

 

2.Quick Fat 開封後の変化(2週間)


(1)目的

各飼料をマウスの給餌器に置いた状態における飼料中の油脂の変化を観察することを目的としました。


(2)材料および方法

飼料を開封して温湿度を制御した実験室に静置した飼料を一定期間毎にサンプリングして、酸価(AV)、過酸化物価(POV)を分析し、飼料中の油脂の変化を観察しました。


① 試験飼料:

Quick Fat:平成 16年(2004年)3月 13日に製造後、直ちに日本配合飼料(株)(現フィード・ワン(株))中央研究所に送付して冷凍保存(-35℃)したものを用いました。


② 保存場所:

日本配合飼料(株)(現フィード・ワン(株))中央研究所・実験室(温湿度 24時間制御):実験室の環境条件はマウス・ラット飼育室の環境に近い状態で温湿度を制御しました(温度=20~25℃、湿度=40~ 60%)。試験中の温湿度は、温湿度自動記録計で記録しました。


③ 保存方法:

動物を入れていないマウスケージの蓋(マウス PCフタ・CL-0103-1PC)の給餌部分に飼料を入れ、実験室のラック(棚)に静置しました。分析のためのサンプリング時期は、開封直後(0)、保存後 1、2、4、7、14日とし、サンプリングした飼料はナイロンポリ袋に密封包装して冷凍保存(-35℃)し、サンプルが集まった時にまとめて分析を実施しました。


④ 分析項目: AV、POV

分析は日本配合飼料(株)(現フィード・ワン(株))中央研究所にて実施しました。


(3)結果

結果は図 1・2および表 3に示しました。


Quick Fat:Quick Fatは保存期間が長くなるに従って、AV、POVともに上昇しました。特に保存 4日以降において POVの上昇が顕著でした。


(4)考察

給餌器に飼料を入れてから 4日程度までは Quick Fatの飼料中の油脂は大きく変化しませんので、嗜好性の低下などの悪影響は出ない可能性が高いと考えています。この試験では「動物の給餌器内に置かれた状態」を想定して、試験を実施しています。Quick Fatの使用に際して、飼料を交換するタイミング(交換頻度)を設定する際の参考資料としてご活用下さい。


図 1・2 Quick Fat の開封後の変化

開封して温湿度を制御した実験室に静置した飼料を一定期間毎にサンプリングして、AV・POVを分析し、飼料中の油脂の変化を観察しました。

図 1・2 Quick Fat の開封後の変化

表 3 Quick Fat の開封後の変化

表 3 Quick Fat の開封後の変化

カッコ内の値は 0 日(開始時)を 100% とした場合の相対値を示しています。

 

3.Quick Fat 開封後の紙袋内での変化(3ヶ月)


(1)目的

紙袋を開封後、開いた袋の口を輪ゴム等で止めた紙袋を飼育室に保管している状態の Quick Fatにおける、飼料中の油脂の変化を観察することを目的としました。


(2)材料および方法

飼料を開封して温湿度を制御した実験室に静置した飼料を一定期間毎にサンプリングして、酸価(AV)、過酸化物価(POV)を分析し、飼料中の油脂の変化を観察しました。


① 試験飼料:

Quick Fat: 平成 16年(2004年)6月 14日に製造後、直ちに日本配合飼料(株)(現フィード・ワン(株))中央研究所に送付して冷凍保存(-35℃)したものを用いました。


② 保存場所:

日本配合飼料(株)(現フィード・ワン(株))中央研究所・マウス飼育室 (温湿度 24時間制御:温度= 20~25℃、湿度= 40~ 60%)。試験中の温湿度は、温湿度自動記録計で記録しました。


③ 保存方法:

飼料袋を開封し、輪ゴムでしっかりと口を閉じて静置しました。ユーザー様での飼料使用状況を考えた場合、 給餌作業の際に週に1~ 2回、飼料袋を開閉することが予想できるため、本試験の保存期間においても毎週1回の開閉作業を行うこととしました。尚、サンプリングを行う週は、サンプリング作業を開閉作業としました。


④ 保存期間とサンプリング時期

保存期間は 3 ヶ月間とし、その間に、開封直後、保存後 7、14、30、60、90日をサンプリング時期としました。サンプリングした飼料はナイロンポリ袋(飛竜)に密封包装して冷凍保存(-35℃)し、サンプルが集まった時点でまとめて分析を実施しました。


⑤ 分析項目

AV、POVをそれぞれ 2点で測定し、その平均値を値としました。


(3)結果

分析の結果を図 3・4および表 4に示しました。保存期間が長くなるに従って AVの値が高くなりましたが、POVの値には大きな変化は認められませんでした。 別途実施した、「動物の給餌器内に置かれた状態」を想定した保存試験(結果を表 3)では、飼料が常に新鮮な空気に触れる状態で 2週間放置しましたが、Quick Fatの油脂変化は、AVよりも POVの方が顕著でした。以上より、Quick Fat を開封しても、輪ゴム等で袋の開口部を閉じた状態にしておけば、飼育室の温湿度環境に放置しても 3 ヶ月間は問題無く使用できると考えます。


この試験では「紙袋を開封後、開いた袋の口を輪ゴム等で止めた紙袋を飼育室に保管している状態」を想定して、 試験を実施しています。Quick Fatの使用に際して、開封した飼料の有効期限を考える参考資料としてご活用ください。


図 3・4 Quick Fat の開封後における飼料袋内での変化

紙袋を開封し、輪ゴムで開口部を閉じた状態とした QuickFatの袋を温湿度が制御された実験室に静置した飼料を、一定期間毎にサンプリングして、AV・POVを分析し、飼料中の油脂の変化を観察しました。

図 3・4 Quick Fat の開封後における飼料袋内での変化

表 4 Quick Fat の開封後における飼料袋内での変化

表 4 Quick Fat の開封後における飼料袋内での変化

カッコ内の値は 0日(開始時)を 100%とした場合の相対値を示しています。

 

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