
サービス概要
日本クレアでは、担癌モデル研究に用いられるB16F10メラノーマ細胞を用いたラット担癌モデル(脳内移植モデル)作製を受託しました。
当社で生産する健康で均質なラット(例:Wistar、SD 等)を使用し、細胞調製・脳内移植(定位脳手術)・観察・出荷までの一連工程を、経験豊富な技術者が担当しています。
動物福祉と社内規程に基づく厳密な管理のもと、担癌モデルを高い再現性で作製し、お客様の腫瘍研究・薬効薬理試験を強力にサポートします。
受託手順の流れ
①ご依頼内容のヒアリング
・移植する細胞の種類、投与座標 ・処置動物数、週令、雌雄、観察期間、出荷時期
②お見積り → 正式受注
③移植細胞の調製(一例)
・RPMI-1640培地、Pen-Strep、Trypsin-EDTA などを用いた細胞調製 ・指定細胞濃度(例:1.0×10⁵/3 µL)に調整
④ラットへの脳内移植(定位脳手術)
・三種混合麻酔下で実施(補助麻酔としてイソフルラン麻酔を使用) ・基準点(Bregma)から移植位置を決める(例:AP 0.5mm、ML 2.0mm、DV 3.5mm などの座標を使用) ・ドリルで頭蓋骨に穴を開け、指定座標にマイクロシリンジを挿入する。 ・指定量の細胞移植し、処置終了後は術後のケアとして鎮痛薬の投与などを行う。
⑤観察・体重測定・一般状態の記録
・毎日の観察 ・1〜2回/週の体重測定 ・異常所見の確認、記録
⑥出荷・納品
・契約内容に応じて、モデルラットの出荷、または臓器摘出・組織の提供が可能
当社の強み:
・ ブリーダーレベルのSPF環境
当社の外科処置動物は、処置中から納品まで全ての期間、自社のSPF動物と同じ厳格な基準で飼育管理されています。一貫した環境下で高い清浄度が維持されているため、試験データの再現性が極めて高く、多くの研究者様から信頼を得ています。
・ 経験豊富なスタッフによる再現性のある手技
当社の技術者は ・脳内移植(定位手術) ・細胞調製 ・観察 など、腫瘍モデル作製において豊富な経験と高度な座標設定技術を保有しており、個体差の少ない安定したモデル動物を提供します。
・動物福祉・社内規程に基づく安全な運用
動物福祉委員会の審査を経た実験計画書に沿って、麻酔・術後ケア・観察・安楽死に至るまで適切に対応します。お客様が安心して依頼できる体制を徹底しています。
FAQ
Q: 日本クレアに委託するメリットはなんですか?
A: 日本クレア社同等の最高レベルの動物品質を担保する飼育管理体制に加え、10年以上にわたるAAALAC認証の継続により、グローバル基準の動物福祉レベルで信頼性の高い試験を実施いたします。
Q: どのような担癌モデルを作製できますか?
A: 本記事で紹介している脳内移植モデルに加え、皮下移植、静脈内移植なども対応可能です。
Q: 動物はどのような個体を使用しますか?
A: 日本クレアが生産するSPFラット(Wistar、SDなど)を使用します。
Q: 脳内移植はどのような手順で行われますか?
A: 三種混合麻酔下(補助麻酔としてイソフルラン麻酔を使用)、脳定位固定装置を用い、基準点(Bregm)からの座標に従って細胞を移植します。投与量や座標などはご希望に応じて調整可能です。
Q: 観察データの提供は可能ですか?
A: 可能です。過去の受託実績をもとに、系統特性や代謝プロファイルに応じたスケジュール設計をご相談出来ます。創薬初期段階での用量設定検証にご利用いただけます。
こんなニーズにオススメ
- 脳腫瘍モデルを外部委託し、手技の再現性を高めたい
- 脳内移植モデルなど、高度な手技が必要なモデル作製を依頼したい
- 担癌モデルを一定品質で揃え、薬効評価のばらつきを減らしたい
- ブリーダーならではの健康で背景情報の揃ったラットを用いて試験したい
実施者インタビュー
Q1. どのような研究者から、この腫瘍モデル作製について問い合わせがありますか?
この脳内腫瘍モデルについては、大学の先生方からのご相談が中心でした。脳内への細胞移植という点では、実はパーキンソン病モデルの作製と技術的にはかなり近い部分があります。試薬を投与するか、生きた細胞を投与するか、という違いですね。
パーキンソンモデルは年に3~4件ほど経験がありましたし、担癌マウスの皮下移植も日常的に行っていました。ただ、「メラノーマ細胞を脳内に入れる」というご相談をいただいたときは、正直なところ少し驚きましたね。一般的には皮下モデルがスタンダードなので、「あ、こういうアプローチもあるのだな」と。
ただ、これまでの経験を振り返ると「技術的には十分対応できそうだ」とも思いましたし、個人的には「面白そうだな」という気持ちもありました。
細胞の取り扱い自体は担癌モデルで慣れていましたし、過去にはヘルプとして同様の作業に入った経験もあったので、不安はそれほど大きくなかったです。
Q2. 年間でどれくらい腫瘍モデル作製の依頼がありますか?
脳内投与という括りでいうと、パーキンソンモデルが年に3~4件ほどです。それ以外にも、普段から外科処置動物の作製は数多く担当していますので、こういった手技自体にはかなり慣れています。
作業としては、熟練した技術者2名で対応すれば、1日に10匹前後の処置が可能なイメージですね。この手の仕事は嫌いじゃないですし、「きちんと形にする」ことにやりがいを感じるタイプの作業だと思います。
Q3. モデル作製で特に気をつけているポイントは何ですか?
一番気を遣うのは、やはり細胞の取り扱いですね。今回のようにマトリゲルを使用する場合は、少しでも温度が上がると固まってしまうので、細胞は常に冷却状態をキープする必要があります。
そのため、細胞だけでなく、シリンジや医療用凍結スプレーなどの器具類もあらかじめ冷やして準備します。
パーキンソンモデルのように試薬を扱う場合には必要ない工程なので、ここは腫瘍モデルならではの注意点ですね。
もう一つ重要なのが、ブレグマの見極めです。脳定位手術では、チーム全員で「ここがブレグマ」という認識が一致していないと、再現性が大きく崩れてしまいます。
最初は熟練者2名で対応していましたが、その後新しく2名が加わり、今ではチームとして十分なコンセンサスが取れるようになりました。
また、腫瘍モデルでは個体差の見極めも重要です。 細胞の生着や成長、体重減少の出方はどうしてもばらつきが出ます。
- 体重が少し落ちるのは順調なサイン
- 落ちすぎると失敗の可能性
- 逆にほとんど変化がない場合も生着不良の可能性
といった具合に、体重推移だけでなく、行動の変化や外見(頭部のわずかな形状変化など)も含めて総合的に判断しています。
そのほかにも、シリンジを抜く速度、ドリルの扱い、頭蓋骨表面の処理など、細かい部分は「手術に慣れているかどうか」で差が出やすいですね。
Q4. 日本クレアに依頼するメリットは何でしょうか?
やはり一番は、脳内投与や生着手技に慣れた技術者が対応できる点だと思います。特にブレグマの見極めについて、チーム内でしっかりコンセンサスが取れていることは、再現性の面で大きな強みです。
再現性を高く保つには、どうしても経験と熟練が必要になりますので、その点を評価していただけるとありがたいですね。
また、社内の担癌モデル担当チームとの連携も密に取れています。細胞培養との情報共有や、観察結果のすり合わせなどもスムーズです。
Q5. モデル作製に関連して、追加で依頼できるオプションはありますか?
弊社で取り扱っている動物であれば、かなり柔軟に対応できると思っています。たとえば、いきなり本試験に進むのではなく、プレ試験として少数で生着確認を行い、結果を見てから本試験に進むといった進め方も可能です。
また、モデル動物の作製・納品だけでなく、その後の投与試験や各種臓器の採材まで含めて対応することもできます。「どこまで任せたいか」を伺いながら、試験全体がスムーズに進む形をご提案できればと思っています。

