Diet Research Data (試験データ集):雄 C57BL/6JおよびKK-Ay マウスに対するHigh Fat Diet 32 給与の影響
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1.目的
超高脂肪固型飼料(High Fat Diet32;以下 HFD32)が、正常マウスおよび肥満・2型糖尿病モデルマウスに及ぼす影響について比較・検討しました。
2.材料および方法
(1)試験の実施場所
日本配合飼料(株)(現フィード・ワン(株))中央研究所のマウス飼育室(コンベンショナル)にて実施しました。
(2)給与飼料
- CE-2 :粗脂肪含量 4.6%、Fat kcal% 11.9%、可溶性無窒素物含量 51.4%、NFE kcal% 59.3%
- High Fat Diet 32(以下 HFD32):粗脂肪含量 32.0%、Fat kcal% 56.7%、可溶性無窒素物含量 29.4%、NFE kcal% 23.2%
(3)動物
肥満・2型糖尿病モデルマウスである KK-Ay/Ta Jcl、および C57BL/6JJclの 5週齢の雄を対象としました。また供試数は、1試験群あたり 6匹としました。
(4)飼育方法
- 温度と湿度:温度= 24~ 27℃、湿度= 50~ 70%
- 照明:12時間の明暗サイクル(点灯時間 9:00~ 21:00)
- ケージ:滅菌木製チップを入れたポリカーボネート製ケージに 1匹ずつ入れて飼育
- 飼料:自由摂取
- 飲水:水道水を自由摂取
(5)試験方法
4週齢のKK-Ay マウスおよびC57BL/6Jマウスを導入し、1週間の順化後、体重および空腹時血糖値を指標に各区間に差が生じないように 2群(CE-2群、HFD32群)に振り分けました。5週齢から 12週齢まで試験飼料の給与を実施し、一晩絶食後(15時間)解剖に供しました。また得られた血液サンプルは、血清中脂質関連物質(中性脂肪、遊離脂肪酸、総コレステロール)および血糖値、インスリン濃度の測定に供しました。尚、有意差検定は Student's t-testで実施しました。
3.結果
以下に記載しております。
1.体重
各系統における体重変化
図のポイントと縦線は平均値±標準誤差を表しています。統計処理は各週齢の試験群間で実施し、図中の*は有意差があることを示しています( p< 0.05)。
2.摂餌量・飲水量
各系統における摂餌量の推移
図のポイントと縦線は平均値±標準誤差を表しています。統計処理は各週齢の試験群間で実施し、図中の*は有意差があることを示しています( p< 0.05)。
各系統における飲水量の推移
図のポイントと縦線は平均値±標準誤差を表しています。統計処理は各週齢の試験群間で実施し、図中の*は有意差があることを示しています( p< 0.05)。
3.随時血糖値
各系統における随時血糖値の推移
採血は 2週間毎に尾静脈から採取し、採取の時間は点灯 4時間後の午後 1時としました。全血を簡易血糖測定器(グルテスト PROR /(株)三和化学研究所)にて測定しました。図の縦棒と縦線は平均値±標準誤差を表しています。統計処理は各週齢の試験群間で実施し、図中の*は有意差があることを示しています( p< 0.05)。
4.経口糖負荷試験
8および 12週齢時の C57BL/6Jマウスにおける経口糖負荷試験結果 ̶ 1
8週齢および 12週齢時に実施しました。一晩絶食(20時間)後、グルコース溶液(2g/kg体重)を胃ゾンデで経口投与し、投与前(0分)、投与後 30、60、120分に尾静脈より採血し、得られた血液は血漿として冷凍保存(-40℃)しました。血糖値はグルコース CⅡ-テストワコー(和光純薬工業(株))にて測定しました。図のポイントと縦線は平均値±標準誤差を表しています。統計処理は各時間の試験群間で実施し、図中の*は有意差があることを示しています( p< 0.05)。
8および 12週齢時の C57BL/6Jマウスにおける経口糖負荷試験結果 ̶ 2
【血糖和および血糖上昇面積】
血糖和は経口糖負荷試験の各時間の血糖値の和を算出しました。血糖上昇面積は、以下の計算式により算出しました。
血糖上昇面積(mg/dl・h)={(a + 2b + 3c + 2d)×1/4}-2a
(a,b,cおよび dはそれぞれ 0,30,60および 120分後の血糖値)
図の縦棒と縦線は平均値±標準誤差を表しています。統計処理は試験群間で実施し、図中の*は有意差があることを示しています( p< 0.05)。
8および 12週齢時の KK-Ay マウスにおける経口糖負荷試験結果 ̶ 1
8週齢および 12週齢時に実施しました。一晩絶食(20時間)後、グルコース溶液(2g/kg体重)を胃ゾンデで経口投与し、投与前(0分)、投与後 30、60、120分に尾静脈より採血し、得られた血液は血漿として冷凍保存(-40℃)しました。血糖値はグルコース CⅡ-テストワコー(和光純薬工業(株))にて測定しました。図のポイントと縦線は平均値±標準誤差を表しています。統計処理は各時間の試験群間で実施し、図中の*は有意差があることを示しています( p< 0.05)。
8および 12週齢時の KK-Ay マウスにおける経口糖負荷試験結果 ̶ 2
【血糖和および血糖上昇面積】
血糖和は経口糖負荷試験の各時間の血糖値の和を算出しました。血糖上昇面積は、以下の計算式により算出しました。
血糖上昇面積(mg/dl・h)={(a + 2b + 3c + 2d)×1/4}-2a
(a,b,cおよび dはそれぞれ 0,30,60および 120分後の血糖値)
図の縦棒と縦線は平均値±標準誤差を表しています。統計処理は試験群間で実施し、図中の*は有意差があることを示しています( p< 0.05)。
5.インスリン負荷試験
8および 12週齢時の C57BL/6Jマウスにおけるインスリン負荷試験結果
インスリン溶液(0.75IU/kg体重)を腹腔内に投与し、投与前(0分)、投与後 20、40、60、80、120分に尾静脈より採血し、全血を用いて簡易血糖測定器(グルテストPROR/(株)三和化学研究所)で血糖値を測定しました。図のポイントと縦線は平均値±標準誤差を表しています。統計処理は各時間の試験群間で実施し、図中の*は有意差があることを示しています( p< 0.05)。
8および 12週齢時の KK-Ay マウスにおけるインスリン負荷試験結果
8週齢および 12週齢時に実施しました。インスリン溶液(0.75IU/kg体重)を腹腔内に投与し、投与前(0分)、投与後 20、40、60、80、120分に尾静脈より採血し、全血を用いて簡易血糖測定器(グルテストPROR/(株)三和化学研究所)で血糖値を測定しました。グラフのポイントと縦線は平均値±標準誤差を表しています。統計処理は各時間の試験群間で実施し、グラフ中の*は有意差があることを示しています( p< 0.05)。
6.解剖時血液分析
解剖時の血清および血漿分析
表の値は平均値±標準誤差を表しています。12週齢時に解剖を実施し、その際に血液も採取しました。20時間絶食後エーテル麻酔下で開腹し、後大静脈から血液を採取し、血漿および血清として冷凍保存しました。総コレステロール、中性脂肪、遊離脂肪酸およびグルコースはそれぞれ臨床検査キット(コレステロールE-テストワコー、トリグリセライドE-テストワコー、NEFAテストワコー、グルコースCⅡ-テストワコー)にて測定しました。インスリンの測定には、インスリン測定キット((株)森永生科学研究所)を用いました。統計処理は試験群間で実施し、表中の*は有意差があることを示しています( p< 0.05)。
7.解剖時主要臓器重量
臓器重量
表の値は平均値±標準誤差を表しています。統計処理は試験区間で実施し、表中の*は有意差があることを示しています( p< 0.05)。
解剖時(20週齢時)主要臓器および部位別脂肪組織重量