Diet Research Data (試験データ集):雄 F344 および SD ラットに対する異なる油脂源を用いた高脂肪飼料給与の影響
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1.目的
高脂肪固型飼料(High Fat Diet32;以下 HFD32)の給与が、雄 C57BL/6Jマウスに及ぼす影響を検討しました。
2.材料および方法
(1)試験の実施場所
日本配合飼料(株(以下日配)中央研究所のラット飼育室(コンベンショナル)にて実施しました。
(2)給与飼料(特徴を表1~3に記載しました)
対照飼料として日本クレア社のCE-2、試験飼料として、紅花油主体の高脂肪飼料である日本クレア社のHigh Fat Diet32(以下HFD32)、ラード主体の高脂肪飼料(以下HFD-La)、精製粉末パーム油主体の高脂肪飼料(以下HFD-Pa)を用いました。HFD-La、HFD-Pa日本クレア社のFD32をベースとして、HFD32に用いているサフラワー油をそれぞれラード、パーム油に置換した飼料を作製いたしました。その他油脂源としては、粉末牛脂を使用しています。
(3)動物
5週齢の雄F344/JclとJcl:SDラットの2系統を用いました(n=6)。
(4)飼育方法
- 温度と湿度:温度=21~25℃、湿度=40~60%
- 照明:12時間の明暗サイクル(点灯時間 9:00~21:00)
- ケージ:滅菌チップを入れたポリカーボネート製ケージに2匹ずつ入れて飼育しました。
- 飼料:自由摂取としました。
- 飲水:水道水を自由摂取としました。
(5)試験方法
4週齢のF344/JclおよびJcl:SDラットを導入し、1週間の馴致後、体重を指標に群間に差が生じないようにそれぞれ4群に振り分けました。また、ケージあたりの匹数は2としました。5週齢から9週齢まで試験飼料の給与を実施し、一晩絶食後(約15時間)解剖に供しました。また得られた血液サンプルは、血糖値、血漿中インスリン濃度の測定および血清中脂質代謝関連物質(総コレステロール、HDL-コレステロール、中性脂肪、遊離脂肪酸)に供しました。さらに、解剖時に採取した肝臓は、中性脂肪含量の測定と共に、ヘマトキシリン&エオジン染色を行い、組織学的観察に供しました。尚、有意差検定はTurkey-Kramer法で実施しました。
3.結果
以下に記載しております。
1.飼料成分
表1 試験飼料配合率
表2 試験飼料一般成分分析値
表3 高脂肪飼料中脂酸肪組成分析値
2.摂餌量
図1 摂餌量の推移
図のバーと縦線は平均値±標準誤差を表しています。統計処理は同一週齢の試験群間で実施し、図中の異符号間には有意差があることを示しています(p<0.05)。
表4 各系統のラットにおける摂餌量の推移
3.飲水量
図2 飲水量の推移
図のバーと縦線は平均値士標準誤差を表しています。統計処理は同一週齢の試験群間で実施し、図中の異符号間には有意差があることを示しています(p<0.05)。
表5 各系統のラットにおける飲水量の推移
4.体重
図3 体重
1週間毎に測定しました。図のバーと縦線は平均値士標準誤差を表しています。
表6 各系統のラットにおける体重変化
5.空腹時血糖値および血漿中インスリン濃度
図4 空腹時血糖值
9週齢の解剖時に測定しました。図のバーと縦線は平均値土標準誤差を表しています。
表7 各系統のラットにおける空腹時血糖値
図5 空腹時血漿中インスリン濃度
9週齢の解剖時に測定しました。図のバーと縦線は平均値±標準誤差を表しています。
表8 各系統のラットにおける空腹時血漿中インスリン濃度
表9 血中脂質代謝関連物質濃度
表10 体重及び相対臓器重量
6.血中脂質代謝関連物質濃度
図6 解剖時肝臟中中性脂肪含量
9週齢の解剖時に採取した肝臓中の中性脂肪含量を測定しました。図のバーと縦線は平均値±標準誤差を表しています。図中の異符号間には有意差があることを示しています(p<0.05)。
表11 各系統のラットにおける肝臓中中性脂肪含量
図7 肝臟組織写真(×400)
A~D:F344/Jcl、E~H:Jcl:SDの肝臓組織を示しています。
A:CE-2群、B:HFD32群、C:HFD-La群、D:HFD-Pa群、E:CE-2群、F:HFD32群、G:HFD-La群、H:HFD-Pa群