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KK-Ayマウス:糖尿病性腎症モデルとしての確立手法 片腎摘出・食塩負荷/食餌誘導(QF*とWD*)

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KK-Ayマウス:糖尿病性腎症モデルとしての確立手法 片腎摘出・食塩負荷/食餌誘導(QF*とWD*)

KK-Ayマウスは2つの実験手法により糖尿病性腎症モデルとなりえます


この度弊社では、KK-Ayマウスの糖尿病性腎症モデルとしての系を確立しました。実験手法は以下の2つです。
誘導方法1:片腎摘出および食塩負荷と誘導方法2:食餌誘導(高脂肪食QF*およびWD*)以上の手法により、KK-Ayマウスにおいて糖尿病性腎症が早期化、増悪化しました。KK-Ayマウスは糖尿病性腎症のモデル動物として、基礎研究および創薬研究の評価において有用であると考えられます。

*QF:Quick Fat (QF)とは日本クレアの糖尿病・肥満研究用の高脂肪飼料です。→QF商品ページ
*WD:Western Diet(WD)は、QFに2%コレステロールを添加した特殊飼料です。

 

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よりヒトに近く、糖尿病性腎症の病期分類毎(過剰濾過~GFR減少)に薬剤評価に適した糖尿病性腎症モデルをご希望の方は以下をご参照下さい。
SDT fattyラットによる糖尿病性腎症評価系開発:対照薬SGLT-2阻害剤、ACE阻害剤、GLP-1アゴニスト

 

 

目次:

誘導方法1:片腎摘出および食塩負荷

誘導方法2:食餌誘導(高脂肪食QF*およびWD*)  

 

 

誘導方法1:片腎摘出および食塩負荷

片腎摘出・食塩負荷KK-Ayマウスは早期に糖尿病性腎症が認められます。高血糖は片腎摘出後も持続し、遺伝子発現および病理組織学的解析において腎障害が確認されました。

試験デザイン

6群を用意。片腎摘出のみと食塩負荷も加えた群を設定し、食塩負荷による影響も観察しました。

  群名 動物
 1群  Cont  C57B6   CE-2  水
 2群  Cont-Nx  C57B6   CE-2  水
 3群   Cont-Nx+NaCl   C57B6    CE-2   0.9%NaCl 
 4群  KKAy  KK-Ay  CE-2  水
 5群  KKAy-Nx  KK-Ay  CE-2  水
 6群  KKAy-Nx+NaCl  KK-Ay  CE-2  0.9%NaCl


第45回日本毒性学会. (2018)

結果

全てのKK-Ayマウス群で有意に糖尿病症状が発現しました。(体重増加、摂餌・飲水量増加、血糖値上昇)。

第45回日本毒性学会. (2018)

腎剖検

KK-Ay-Nx群とKK-Ay-Nx+NaCl群で、顕著な腎臓肥大が確認されました。

第45回日本毒性学会. (2018)


第45回日本毒性学会. (2018)

血漿生化学的検査

KK-Ay-Nx群とKK-Ay-Nx+NaCl群で、血中中性脂肪、コレステロール、血糖、尿素窒素濃度の顕著な増加を確認しました。

第45回日本毒性学会. (2018)

F4/80染色

成熟マクロファージの増加が確認され、炎症反応の増強が示唆されます。

第45回日本毒性学会. (2018)

αSMA染色

αSMA陽性細胞が確認され、筋線維芽細胞の存在が示唆されます。

第45回日本毒性学会. (2018)

遺伝子発現解析

上:線維化関連遺伝子
下:炎症関連遺伝子

第45回日本毒性学会. (2018)

 相関図(病理-遺伝子)

KK-Ay-Nx群とKK-Ay-Nx+NaCl群において、IL-1β、TIMP-1、TNFα、collagen1の増加が確認され、病理スコアとの正の相関も見られます。

第45回日本毒性学会. (2018)

病理組織学的解析

糖尿病性腎症の特徴が各所に見られます。

  • 糸球体:メサンギウム増生
  • 尿細管:変性、拡張、Armanni-Ebstein変性、尿円柱
  • 間質:αSMA陽性細胞・マクロファージ増加・顕著な炎症性細胞浸潤・線維化


HE染色


第45回日本毒性学会. (2018)

SR染色

第45回日本毒性学会. (2018)

PAS染色


第45回日本毒性学会. (2018)

片腎摘出の食塩負荷のKK-Ayマウスはヒト類似の糖尿病性腎症症状を有しており、薬効評価に有用であると考えられます。

資料請求、見積もり、その他質問がございましたら、ぜひ下記よりお問い合わせ下さい。


誘導方法2:食餌誘導(高脂肪食QFおよびWD)

弊社高脂肪食Quick Fat (QF)およびWestern Diet(WD: QF+コレステロール2%)をKK-Ayマウスとdb/dbマウス2系統の2型糖尿病モデルへ与え、その糖尿病性の腎病変への影響を比較しました。

結果KK-Ayマウスはdb/dbマウスと比較して高度なインスリン抵抗性を示し、高脂肪食給餌により腎症が増悪化しました。尚、コントロールにはC57BL/6JJclマウスを用いました。

試験デザイン

9群を用意。日本クレア飼料CE-2、Quick Fat(QF)、およびQFにコレステロールを2%添加したWestern Diet (WD)を給餌。

  動物
 1群   C57B6   CE-2 
 2群  C57B6  QF
 3群  C57B6  WD
 4群  db/db  CE-2
 5群  db/db  QF
 6群  db/db  WD
 7群  KK-Ay  CE-2
 8群  KK-Ay   QF
 9群  KK-Ay  WD



第45回日本毒性学会. (2018)

体重・生化学的検査

KK-Ayマウスはコレステロール添加飼料でも摂餌が減少せず、体重は増加しました。またdb/dbマウスと比較して高度なインスリン抵抗性を示しました。

第47回日本毒性学会. (2020)

食餌摂取量

第47回日本毒性学会. (2020)

血液生化学



第47回日本毒性学会. (2020)

尿中タンパク

第45回日本毒性学会. (2018)



病理組織学的解析

PAS染色

QF給餌のKK-Ayマウスのみで、顕著な糸球体の障害、腎尿細管および尿細管間質の炎症が確認されました。

KK-Ay+QF群

第47回日本毒性学会. (2020)


第47回日本毒性学会. (2020)

KK-Ayマウスは血糖値およびコレステロール値でdb/dbマウスよりは低値を示しますが、コントロールマウスと比較して顕著な高値を示し、糖尿病症状および合併症を観察するのに十分有用であると考えられます。

また、KK-Ayマウスはdb/dbマウスと比較して高度なインスリン抵抗性を示し、高脂肪食給餌により腎症が増悪化しました。短期薬効評価が出来る新たな糖尿病性腎症モデルとして、非常に有用と考えられます。

 

 

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