Diet Research Data (試験データ集)：雄 C57BL/6Jマウスに対する Quick Fat 給与の影響

 

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１.目的

高脂肪飼料（Quick Fat；以下QF）の給与が、雄C57BL/6Jマウスに及ぼす影響について検討しました。

 

２.材料および方法

（1）試験の実施場所

日本配合飼料（株）（現フィード・ワン（株））中央研究所のマウス飼育室（コンベンショナル）にて実施しました。

（2）給与飼料

• CE-2： 粗脂肪含量 4.6%、Fat kcal% 11.9%、可溶性無窒素物含量 51.4%、NFE kcal% 59.3%
• Quick Fat（以下 QF）： 粗脂肪含量 13.6%、Fat kcal% 29.8%、可溶性無窒素物含量 47.8%、NFE kcal% 46.6%

（3）動物

C57BL/6JJclマウスの雄を対象動物としました（1試験群あたり 20匹、合計 40匹）。

（4）飼育方法

• 温度と湿度：温度＝ 21～ 25℃、湿度＝ 40～ 60%
• 照明：12時間の明暗サイクル（点灯時間 9：00～ 21：00）
• ケージ：滅菌木製チップを入れたポリカーボネート製ケージに 1匹ずつ入れて飼育
• 飼料：自由摂取
• 飲水：水道水を自由摂取

（5）試験方法

C57BL/6Jマウスを 4週齢で導入し、1週間の順化後（CE－2給与）、体重および血糖値を指標に各群間に差が生じないように2群（CE－2群、QF群）に振り分けました。5週齢時から試験飼料の給与を開始し、20週齢まで給与を実施し（給与期間 16週間）、各項目の測定を行いました。

 

３.結果

以下に記載しております。

 

1.体重

体重変化

1週間毎に測定しました。図のポイントと縦線は平均値±標準誤差を表しています。統計処理は各週齢の試験 群間で実施し、図中の＊は有意差があることを示しています（ p ＜ 0.05）。

 

2.摂餌量・飲水量

摂餌量の推移

図のポイントと縦線は平均値±標準誤差を表しました。統計処理は各週齢の試験群間で実施し、図中の＊は有意差があることを示しています（ p＜ 0.05）。摂餌量は、各週齢での 1匹 1日あたりの平均値を示しました。

飲水量の推移

飲水量は、各週齢での 1匹 1日あたりの平均値を示しました。 図のポイントと縦線は平均値±標準誤差を表しました。統計処理は各週齢の試験群間で実施し、図中の＊は有意差があることを示しています（ p＜ 0.05）。

 

3.随時血糖値

随時血糖値の推移

採血は 3週間毎に尾静脈から採取し、採取時間は点灯 4時間後の午後 1時としました。全血を簡易血糖測定器（グルテスト PROR ／（株）三和化学研究所）にて測定しました。 図の縦棒と縦線は平均値±標準誤差を表しています。統計処理は各週齢の試験群間で実施し、図中の＊は有意差があることを示しています（ p＜ 0.05）。

 

4.経口糖負荷試験

各週齢における経口糖負荷試験結果 ̶ 1

図のポイントと縦線は平均値±標準誤差を表しています。統計処理は各時間の試験群間で実施し、図中の＊は有意差があることを示しています（ p＜ 0.05）。5、15、20週齢（試験飼料給与後2～3日、10週間、15週間;各々左上、右上、左下図に示しています）時に実施しました。一晩絶食（20時間）後、グルコース溶液（2g/kg体重）を胃ゾンデで経口投与し、投与前（0分）、投与後30、60、120分に尾静脈より採血し、全血を簡易血糖測定器（グルテストPROR/（株）三和化学研究所）にて測定しました。

各週齢における経口糖負荷試験結果 ̶ 2

【血糖和】

血糖和は、経口糖負荷試験の各時間の血糖値の和を算出しました。図の縦棒と縦線は平均値±標準誤差を表しています。統計処理は各週齢の試験群間で実施し、図中の＊は有意 差があることを示しています（ p＜ 0.05）。なお、5週齢は試験飼料給与開始 3日後の結果を示しています。

【血糖上昇面積】

図の縦棒と縦線は平均値±標準誤差を表しています。統計処理は各週齢の試験群間で実施し、図中の＊は有意差があることを示しています（ p＜ 0.05）。血糖上昇面積は、以下の計算式により算出しました。

血糖上昇面積（mg/dl・h）＝｛（a ＋ 2b ＋ 3c ＋ 2d）×1/4｝-2a
（a、b、cおよび dはそれぞれ 0、30、60および 120分後の血糖値）

なお、5週齢は試験飼料給与開始 3日後の結果を示しています。

 

5.インスリン負荷試験

各週齢におけるインスリン負荷試験結果の推移

採血は 3週間毎に尾静脈から採取し、採取時間は点灯 4時間後の午後 1時としました。全血を簡易血糖測定器（グルテスト PROR ／（株）三和化学研究所）にて測定しました。 図の縦棒と縦線は平均値±標準誤差を表しています。統計処理は各週齢の試験群間で実施し、図中の＊は有意差があることを示しています（ p＜ 0.05）。

 

6.解剖時血液分析

解剖時（20週齢時）血中脂質関連物質およびその他成分濃度

 

7.解剖時主要臓器重量

表の数値は平均値±標準誤差を表しています。解剖は20週齢時に実施しました（各群n数は8）。20時間絶食後エーテル麻酔下で開腹し、各臓器を摘出後、重量を測定しました。各臓器重量を上の表は絶対重量、下の表は体重100gあたりの相対重量として示しました。統計処理は各項目の試験群間で実施し、表中の＊は有意差があることを示しています（ p＜ 0.05）

解剖時（20週齢時）主要臓器および部位別脂肪組織重量

解剖時（20週齢時）相対主要臓器および部位別相対脂肪組織重量