実験動物/クローズドコロニー/
Ordering name: Jcl:Wistar
Nomenclature: Jcl:Wistar
維持形態:生体コロニー
中型のアルビノラットで各種要因に対して優れた感受性があり、特に学習能力に優れています。
*Jcl:Wistarには、しばしば<紅涙:Chromodacryorrhea>が認められます。
紅涙はマウス・ウサギ・モルモットには発現しないといわれていますが、カバなど水陸両棲の動物は<紅い汗>を出すといわれています。ラットにはアセチルコリンを投与したり、粘着テープの肉体拘束によっても30~40分で紅涙が発現し体重が大きい個体ほど早いといわれます[1]。これらの紅涙は赤血球とは異なる物質で、ハーダー腺に由来するポルフィン体であることが確認され、実験処置によって発現する紅涙は、アトロピンによって阻止されることから、副交換神経を介する作用によるものと推定されます[2]。このように紅涙はラットの持つ生理的現象と思われますが、Jclラット各系統間ではWistar>SD>F344の順位で、その発現に系統差が見られます。このことは反面、Jcl:Wistarの優れた感受性の高さが示唆されていると思われます。
Philadelphia (USA)のWistar研究所を起源とするラットです。Wistar研究所の名称はPennsylvania大学の解剖学者として高名なCasper Wistar教授の名を記念として付けられたといわれています。Carworth(UK)より導入し、生産供給を開始しました。その間に、下記のように呼び名が変わり現在に至っています。
1970年: Carworth Farmsから動物を輸入
1972年: 帝王切開によるクリーニングを経て「JCL:Wistar」として供給開始
1981年:「Jcl:Wistar」に呼称を変更(国際登録による変更)
行動薬理・毒性・薬理・薬効試験や安全性試験など幅広い分野の研究に使用されています
凍結胚、受託試験、血液や臓器といった研究材料の提供等、受託業務に関する詳細はこちらをご覧ください。